Nerine

感情の浄化、アウトプット。

独りよがり

送別会で寂しい気持ちになるかと思いきや、あっという間に歓迎会が開かれる。いつも通りの春。学生の時だって卒業と入学があった。社会人になったって同じこと。

 

時間は颯爽に過ぎゆくもので、気づけば夏。マッシュカットにした髪が少し伸びて、ボブカットが楽だったあの夏。悩み行く未来に僅かばかり、希望で満ちていたあの夏。誰にも言えずに秘めていた希望を、優しく聞いてくれた。少し寂しそうにして、でも追い風をくれるかのように後押ししてくれた。

 

それが今でも苦しめる。あの優しさはどこへ行ってしまったの。どうして自分ばかり満足してしまったの。なぜ独りよがりな感情を一番にしてしまったの。ちっとも考えられてなかった。互いに嘯き、欺きを繰り返していただけだと思っていた。そう思っていたのは自分だけだ。

 

あの日の夜中、もう少しで家路につくところであの曲を流してくれた。それは全てが崩壊に近づいていたことを示唆していたように感じた。とどめを刺したかった。でも、もうさようなら。それが全て。

 

 

 

生きている限り人間と出会うことは切っても切れない、世の常で。その中でこんなにも自分の中に爪痕を残す誰かに出会うことはあとどれくらいあるのだろうか。自分が何かしてあげられたことはあっただろうか。と結局独りよがりな感情が一番になってしまう。

 

しかし、明らかに自分を上の方へ向かわせてくれた。それは確かなこと。だから今ここにいるんだと思う。伝えたかった。ちゃんと目の前にして。本当に救われたと。わたしはあなたに救われたと。出会えてよかったと。

 

 

どこまで自分は独りよがりなのだろう。もう向かい合うことも、目を見て話すこともできないのに。いつまでこの混沌とした滲んだ感情を引きずり回して垂れ流して生きていくのだろう。